2014年11月13日木曜日

ブランド戦略!!日本車



なにかと話題が多いレクサス店舗を私が訪れたのは、駅前の中心市街地、幹線道路の角地に建つレクサス店舗であった。 全国に151店舗あるレクサスの店舗は、郊外型と市街地型に2分され、敷地形状によりレイアウトは若干違うが、基本的なデザインは変わらない。いままでは各販売会社が独自に設計していたため、地域ごとにブランドイメージがバラバラだったのを統一。
トヨタ自動車のレクサス店舗設計センターが、すべての全国の店舗のデザインを担当した。 店舗作りのコンセプトは「高級感」と「お客様中心」で、日本のレクサス店として「和」を細部に採り入れたみたいだ






店内に入ると、、アロマメーカーと共同で開発したというレクサスオリジナルのアロマの香りが漂ってくる。
吹き抜けのある開放的な高い天井、外界との壁は、開放的な全面ガラス張り、内壁にジンバブエ産の黒御影石がふんだんに使われ、床は、特殊コーティングを施したセラミック製の白い人工大理石。

窓に対して斜め45度に3車種のラインアップIS、GS、SIが、ゆったりと置かれる。 レクサスは店舗を通じ顧客に具体的な3つの価値を提案するが、その1つが「センサリー・イマージョン(五感に訴える価値)」。専用アロマや、吸音材を取り入れた落ち着いた音響空間作りで、見た目の豪華さだけでなく、五感すべてでレクサスの空気を感じてもらう。

受付の並びの商談ブースは、和紙を間に張り込んだガラスで仕切られ、商談ブースに置かれる豪華な椅子は、輸入高級家具とやらで顧客の方がサイズが大きい。

各ブースにはパソコンが設置され、サクサクとスピーディな画面展開で、ボデイカラーやインテリアの組み合わせなどを鮮明な画像でシミュレートできる。

さらに店内にはレクサスの顧客が利用できる「オーナーズラウンジ」が設けられ、整備の待ち時間をくつろげる配慮がされている。普段立ち寄る休憩室としても使えるため、オーナー同士のコミュニケーションが行われるはずだろう

驚きは、レクサスの納車のため専用スペース「レクサスプレゼンテーションルーム」が確保されていることだ。ここでキーを渡され、レクサスオーナーが誕生する。横に設置された大きな鏡で、自分の乗り込み姿を確認できるよう配慮されている。オーナーの心理を読んだ心憎い演出だ。

そして演出はまだ続く。サービス工場は、市街地型店舗なので4層の最上階に配置されている。エレベーターで案内されたサービス工場にはGSが1台待機していた。

やがて工場内の照明が一斉に消され、暗闇となる。夜間に照明がない駐車場などにGSを駐車させたケースを想定した演出だ。スマートキーを携帯してレクサスに近づくとスマートエントリー&スタートシステムによって、ドアミラーに配された足元照明が点灯。

さらに車内に乗り込むと上方から放たれるスポット照明でステアリングと前、後席が照らされる。そして・・・エンジン始動までの動作に従い照明が必要な部分を次々と照らし出す。レクサス自慢の「イルミネーテッドエントリーシステム」がデモされ、サービス工場が舞台装置に場面転換された瞬間だ。




おもてなし
最初、招待を受けレクサス店にいったとき、モノトーンの豪華な店舗に、ダークスーツ姿の営業マンが整列し、深々と頭を下げてお迎えをしてくれた。磨き上げられた白い大理石の床がまぶしい。まず自動車のディーラーでは見かけない高級ホテル並みの出迎えに訪れた者は、驚かされる。心なしか店内の営業マンの表情が硬いような気がした。敬語、丁寧語がキッチリと使い分けられた応対の高感度は上々。営業マンは、客の話をよく聞くこと

に専念し、いままで聞き慣れた営業トークの類は抑制気味。


トヨタは高級な店舗に来たお客に「おもてなしを」を主体にブランド効果を浸透させていく戦略だろう!ブランド力を高めるための「待ちの営業」主体で潜在的な顧客との信頼関
係を築いてターゲットを絞り、中旬をすぎた頃から攻めの営業を仕掛けるつもりらしい。
世界を股にかけるトヨタらしいブランド戦略かも知れない…